どがしこでん×インタビュー

つかざき あすか

塚﨑明香さん 

大牟田育ち。18歳で上京、調理師学校を卒業し洋菓子店勤務を経て23歳で小笠原諸島の母島へ。そこで野菜と果樹づくりを始めたあとレストランを開業。35歳の時に故郷大牟田に戻り、2014年に「心とからだがよろこぶチキン南蛮クレタ」を開業。今年4月10日、一般社団法人日本唐揚協会が主催する第17回「からあげグランプリ」で最高金賞を受賞しました。最高金賞は2年連続。

日本一美味しいチキン南蛮に認められる

2年連続して最高金賞 

 今年のからあげグランプリはオンライン審査でした。全国に20万人以上いる認定カラアゲニストの方が、各地のから揚げのお店で食べて投票する方式です。カラアゲニストというのは、検定に合格したから揚げのスペシャリスト。から揚げをこよなく愛する人やマニア、から揚げをもっと世界に広げようと思っておられる方々です。

 まず金賞に2店舗が選ばれました。一方の店舗は、チキン南蛮の本場宮崎の味と作り方の基本を忠実に再現した東京都千代田区の大きな会社。『あぁ、とても勝負にならないな』と思いました。プレゼンがあればともかく、千代田区のお店なら沢山のカラアゲニストさん来てくれるじゃないですか。この九州の片隅の小さな店に、果たして何人が来てくれるんだろう…だから、うちが最高金賞だと聞いたときは「えーっ?」と驚きました。

 前回16回大会は、プレゼンと試食審査があったんです。東京と大阪の2会場で延べ4日間の審査。私は1人で鶏肉、タルタル、サラダ、ドレッシングなど計20㎏を抱えて新幹線で大阪に行きました。1人で来ているお店は、その日は他にはなかったです。

 表彰式は東京都目黒区のホテルが会場。呼ばれたので何か賞をいただけるのかな、と思って行ってみると、そこで初めて発表。最高金賞をいただいたときは、もうビックリでした。5年とか8年とか続けて金賞をとっても、最高金賞には届かないというお店もたくさんありますからね。

〝心とからだがよろこぶ〟への、こだわり 

 大牟田は、イカタル弁当が愛されたまちです。だから独特のタルタルの食文化があると思うんです。

 前回大会のプレゼンの時は、宮崎のチキン南蛮じゃなく、大牟田オリジナルですって訴えました。

 砂糖を使いタルタルも甘いし『ソース感』が強い宮崎のチキン南蛮と違い、大牟田のタルタルは、こってりした『たまご感』が特徴です。

 うちのチキン南蛮は、三池山麓で放し飼いされた鶏の有精卵を使っています。マヨネーズも米油を使った手作り。塩は天日塩、揚げ衣は北海道産馬鈴薯100%のデンプンで、小麦を一切使わないグルテンフリーです。とにかくお客様、特に子どもさんの身体が元気になるようにとの思いを込めています。

 チキン南蛮定食は、チキン南蛮にご飯、お味噌汁、お漬物、ボリュームあるサラダ。ドレッシングは自家製で中身の4割が野菜でオイルは抑えています。メニューはこのほかパンケーキや酵素ドリンクなどが人気です。

「好きなことをやりなさい」と言われたような

 実は大牟田に戻った時、『お店を持ちたい』と家族に言ったら大反対されたんです。だから介護の仕事に就きました。痴ほうや障がいのある方もいらしたんですが、皆さんすごく尊敬でき、生き方がカッコよく、話されることが心に響いてくるんです。

 「反対されたからって無難な仕事に就いているのは残念」とか「もっと好きなことやりなさい」、とは言ってらっしゃらないのに、言われているような気がして…。

 この介護の経験がなければ、チキン南蛮クレタはなかったでしょう。

(聞き手:島哲男)

 
令和8年度の賞状
令和七年度の賞状